今回は、移動販売・ポップアップショップを行う際に必ず通る道である会場探しについて、これまで様々な場所、コンテンツでポップアップショップを行ってきた経験を元に、分類と対策について書いていきたいと思います。なお、それぞれの探し方については、別の記事で詳しく書こうと思いますので、今回は会場の種別の特徴について記載します。

どのような会場がある?

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日本で移動販売を行う際は、基本的に公道での開催は困難です。(厳密には、道路使用許可を取得したり、自治体の許可を得たりと、開催の方法はなくはないのですが現実的ではありません)そのため、まず開催できる場所は、イベントなどでの期間限定の開催を除いて、私有地が基本になります。

では、出店できる場所はどのような場所で、どのような特徴があるのか、を書いていきます。

  1. イベント、お祭り、フェスなどの期間限定出店
  2. スーパー、商業施設、ショッピングモールなどの施設出店
  3. オフィスビルでの出店
  4. マンション、団地などの集合住宅への出店
  5. 駅前、駅近スペースでの出店
  6. 個人宅、空き駐車場の出店
  7. 公園、自治体が管理しているスペースの出店

会場の特徴は?

様々な種類の会場がありますが、それぞれの特徴について書いていきます。

会場種別
※相対評価
集客数(接触人数) 賃料 定期開催の可否 出店競争率 条件 売上期待値
1、イベント、お祭り、フェスなどの期間限定出店 不可 厳しい
2、スーパー、商業施設、ショッピングモールなどの施設出店 施設による
3、オフィスビルでの出店 施設による
4、マンション、団地などの集合住宅への出店 施設による
5、駅前、駅ナカ、駅近スペースでの出店 厳しい
6、個人宅、空き駐車場の出店 比較的柔軟
7、公園、自治体が管理しているスペースの出店 厳しい

ざっくりですが、上記のように分けてみました。

1、イベント、お祭り、フェスなどの期間限定出店


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1、イベント、お祭り、フェスなどの期間限定出店は、来場者を増やすために主催者が努力をしてくれることもあり、集客数が見込め、売上も期待が持てますが、その分賃料は高めに設定されているケースが多いです。そのため、売上は上がるものの、利益面ではそれほど発揮できない場合もあるため、広報的な意味合いと利益のトレードオフで判断するのが良さそうです。また、「認知度を上げるため」に出店を希望する事業者も多いため、出店競争率は高いのが現状です。

2、スーパー、商業施設、ショッピングモール


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2、スーパー、商業施設、ショッピングモールについては、スタートしやすい反面、注意が必要です。なぜなら、自社ブランドの比較対象となる競合がすぐ近くにいるからです。この種別の特徴として、ある程度の集客も見込めて、会場費もそこまで高くない、という特徴があります。これは、施設側も集客・売上のコンテンツはあればあるほど嬉しいからです。前提として、既にスーパー・商業施設・ショッピングモールに出店している、販売されているブランドや商品と比較されるので、出店場所の中での競争に打ち勝つ必要があります。とはいえ、その施設で販売されていないカテゴリや商品であれば、逆説的に優位に立てるというメリットもあります。

3、オフィスビル


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3、オフィスビルについてですが、この種別の客層の特徴は「時間がない」です。基本的には業務中や休憩中に立ち寄るような形のため、「ゆっくり吟味する」「時間をかけて体験する」ような類のカテゴリは合いにくいです。食事についても、待ち時間なくすぐに提供できることがポイントになるため、調理時間が長くかかるものも合わないでしょう。一方、長い時間をかけてでも受け入れられやすいカテゴリは何かというと、疲れを癒すもの(マッサージetc)や緊急性を要するもの(スペアキー、はんこ、名刺etc)など、駅ナカにあるような類の物が受け入れられやすい傾向があります。その点では、5、駅前、駅ナカ、駅近スペースに近しい傾向があります。また、そのような類の商品やサービスは、オフィス街には既に選択肢があることは注意が必要です。

4、マンション、団地などの集合住宅


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4、マンション、団地などの集合住宅についてですが、この種別は移動販売の中でも今後の可能性と効率性の両方を兼ね備える種別です。というのは、これまで商業的な要素が入ってこなかった領域であるのと、一定数の束の顧客群にアプローチが可能という点が挙げられます。6、個人宅、空き駐車場の部分でも記載した近隣住民へのアプローチもしやすく、また店舗への足の運びやすさがあります。理想的な方法としては、マンション・団地住民に予め事前告知ができると、その効果は一層に増すと考えられます。(逆に、何も告知がないと接触人数が少ないため、求める効果は得にくいでしょう)また、ターゲット像の絞りやすさもポイントになります。一つの目安としては、可処分所得の区分や、家族構成、年齢構成の区分がしやすいのも特徴です。例えばタワーマンション群であれば、ある程度の可処分所得がある層にアプローチが可能なため、価格帯としても比較的高めの設定でも受け入れられると考えられます。また、タワーマンションかつ若年ファミリーが多いマンションであれば、ファミリー向けのコンテンツが受け入れられやすいなどの対策も取りやすくなります。また、団地で単身の高齢者が多い施設であれば、受け入れられやすいコンテンツも見えてくるでしょう。

5、駅前、駅ナカ、駅近スペース


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5、駅前、駅ナカ、駅近スペースについてですが、この種別は「移動中なので、時間がない」層と「移動中だが、時間がある」層が混在しているのが特徴で、それも時間帯で変化します。日中の業務時間中(9-17時くらいまで)は「移動中なので、時間がない」層にいる顧客が、17時以降は、「移動中だが、時間がある」層に変化します。また、基本的には移動のための場所のため、顧客の足が早く、立ち止まらせるのが難しいという特徴もあります。そのため、この種別の会場では、「移動中だが、時間がある」層にフォーカスをあて、足止めし、人混みを作ることで、「移動中なので、時間がない」層を呼び込む方法が有効です。(時間がない人に、いくら呼び込んでも立ち止まってはくれませんが、人混みがあればそれは立ち止まるきっかけになります)人はたくさんいる場所なので、立ち止まらせる仕掛けが重要です。

6、個人宅、空き駐車場


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一方、このイベント出店の対極にいるのが、6、個人宅、空き駐車場です。(説明の流れ上、連番に抗います)この種別は、接触人数が少なく、賃料も安い上に、出店競争率も低いので、出店は行いやすい会場と言えます。とはいえ、人通りが少ないことがあるため、全くの新規での売上期待度は低いでしょう。ただし、ここの種別が実力を発揮するのは、以下の2つのケースです。

A、一定の知名度があり、集客を行うことができるコンテンツの場合
B、継続的な出店と地道な認知活動により強力なリピート客を持った場合

Aについては、ブランドイメージが既にある程度確立され、一定のファンが存在している場合に大変有効に働きます。以下のようなケースです。
#FR2DOCO?

https://www.atpress.ne.jp/news/254319
https://note.com/search123/n/n2c5e9c2e1fb3

若者向けのファッションブランドである#FR2が手がける移動販売プロジェクト「#FR2DOCO?」です。このプロジェクトの凄いところは、
・出店場所はSNSで募集。場所代がかからない。自分の家の庭を使って欲しいという声も
・Zenlyというアプリで、ユーザが出店場所を追いかけるようにしている
・限定商品の販売や、ガチャガチャなどのオリジナル企画の実施
・雨の中でも行列を作るほどの人気

など、移動販売を行う上でのユーザ心理を抑えていて、限定感や楽しさもあり、移動販売という手段でブランド価値そのものを向上させている好例です。

Bについては、これは実店舗でも同じことではあるのですが、近隣住民の方向けに折込チラシやポスティング、エリア広告などを駆使し、リピーターを獲得していく方法です。実店舗では初期費用、固定賃料がかかるものを、移動販売ではそのリスクを抑えて行うことができます。が、この方法については「店舗がないエリアで、新規顧客を獲得したい」「競合がいないエリアで、新規顧客を獲得したい」など強い動機と忍耐を求められる出店になります。

 

7、公園、自治体が管理しているスペース


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このスペースの特徴は、思わぬ好立地での出店が叶うことがあることに尽きます。冒頭に書いた通り、移動販売を行う上での会場は、基本的には私有地になります。そのため、公共性のある場所での出店は、イベントなどの期間限定催事を除き、難しい場合が多いです。そんな中、公園、自治体が管理しているスペースは、「駅前の一等地を比較的安価に借りられる」「ファミリーが多い公園内で出店できる」「福祉施設内で開催ができる」など、希望するターゲットに合致し、なおかつ比較的安価な賃料で出店できるため、「ここで開催できたら良いな」というアンテナを常に立てておくことで、思わぬ掘り出し物に出会える可能性があります。ただし、この種別の特徴は手続きや条件が煩雑で、時間がかかることが挙げられます。かなり前もって募集を行なっている場合や、そもそも募集していない場合、一からの開拓となると審査に思わぬ時間がかかるケースが多いです。最近では、自治体が主体となってキッチンカーの募集を行うケースが増えてきていますが、まだまだ未開拓の優良会場はあると思います。この種別も4、マンション、団地などの集合住宅に続き、期待できる会場の種別だと言えます。

おわりに

ざっと各会場の特徴について記載しました。これらの種別は、更に細分化され、それぞれで特徴が異なってきます。
実際は、自社のコンテンツから仮説としてのターゲット像と会場像を想定し、実際の会場に当てはめながら試行錯誤をしてくことがほとんどで、思い通りの会場はなかなか出会えないのが実態です。ただしその中でもスターとなる会場と出会えると、自社の安定的な売上やマーケティング効果に貢献できます。移動販売を始める際に、参考になれば幸いです。

なお、最後宣伝させてください。ティーピーズでは全国の会場のデータベースを保有しており、上記のような特徴を踏まえた出店計画の提案も行なっております。開業支援サービスにお申し込みを頂けたら、会場探しのサポートもさせていただいておりますので、是非ご興味があれば一報頂けたら幸いです。

 
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